街は生き物
7月17日、三連休の中日ですね。降りすぎていた雨も上がり、
街中はそれなりの賑わいです。感染症の広がり方が不穏ですが、
これ以上状況が悪化しないことを祈っています。
(仕事にも私生活にも影響大なので…)
昨日、書店でこんな本を買ってきて、楽しく読み進めています。
『地理学で読み解く流通と消費』(土屋純、ベレ出版)
「流通と消費」、つまり小売店の出店(退店)や消費者の購買行動等に注目し、
背景にある人口の増減や移動手段の変化といった地理学的な視座から、
マーケティング的な論点に偏って語られがちだった流通業界の変遷を
大局的に解き明かすものです。
例えば、ユニクロ(ファーストリテイリング)はいかにして
発祥地の山口県から全国へと店舗網を展開し、
さらに郊外から都心への出店を成功させていったのか、
同じ地方都市でも他県から広域に集客できる都市と、
逆に買い物客が流出して「シャッター通り」化する都市の違いはどこにあるか、
といった内容が地理学の基本用語を用いて解説されています。
私は子どもの頃から「地理」が好きです。
ただ、一口に地理学といっても様々な視点があります。
例えば『ブラタモリ』がよく扱っているような地質や地形の話は
「自然地理学」に分類されますが、実のところ私はその辺りを
得意としているわけではありません(好きっちゃあ好きですが…)。
私はどちらかというと、今回の書籍が扱っているような話、
企業の経済活動と地理的要因との関連性や、
地域・都市の時代ごとの変遷、今後の在りようを考えることが好きです。
仙台には、昔から地域の商業事情(商圏)を詳細に分析する特集を
定期的に組む雑誌があり、私はその影響を多大に受けています。
今であれば開店・閉店情報に詳しいウエブメディアをチェックするのも
なかなかの楽しみです。
マーケティングの担当者でも無いのにそんなことを考えて何になる?
というツッコミもあるかもしれませんが、純粋に趣味として楽しんでいます。
私にとって、地域や都市、街は「生き物」です。
地理的要因はもちろん、個人や企業の様々な思惑も複雑に絡み合って、
少しずつ(時にはダイナミックに)姿を変えていきます。
こうした変化がなぜ起きるのか、
あるいは今後どのような変化が想定されるのか、
自分なりに分析して気楽に予想し楽しんできました。
その辺りの楽しみをうまく言語化し、
体系的に整理していただいたという意味で、本書の発売はとてもありがたく、
ワクワクしながら読ませていただいています。
そう、街は生き物なのです。
それゆえに、贔屓の街には末永く元気でいてほしいと願うのが人情。
私の仕事は大変微力ながら、そんな力添えができればと考えています。